
初めまして、経営コンサルファームで中小企業支援を行ってきた元コンサルティング室長(中小企業診断士)の萩原です。
このサイトでは、資金繰り改善に関する実践的な情報をわかりやすくご紹介しています。
「日本政策金融公庫は赤字決算が続いている企業にも融資をしてくれるのだろうか」
「赤字企業向けの融資制度はあるのか。審査の通過率はどのくらいなのか」
「日本政策金融公庫の融資を受けるには、どんな書類を準備すればいいのか」
赤字決算が続く中、一般の金融機関からの融資を断られ、資金繰りに悩む経営者は少なくありません。
日本政策金融公庫では、赤字決算企業向けの特別な融資制度が用意されており、審査基準や必要書類を適切に準備することで、融資を受けられる可能性が広がります。
本記事では、日本政策金融公庫の赤字企業向け融資制度の種類や特徴、具体的な審査のポイント、申込から融資実行までの流れ、準備すべき書類など、融資実現に向けた重要な情報を解説していきます。

融資を受けずに資金繰りを改善する新しい方法をチェックしませんか?
登録から利用まで、審査や書類提出が原則不要で利用できます!

日本政策金融公庫の赤字企業向け融資制度の特徴

日本政策金融公庫では、赤字決算企業に対しても複数の融資制度を用意しています。
民間金融機関では融資を受けにくい状況でも、事業の将来性や返済能力を総合的に判断し、融資の実行が可能です。
赤字決算企業でも融資を受けられる理由
日本政策金融公庫は、政府系金融機関として中小企業の成長と経営改善を支援する重要な役割を担っています。
民間金融機関が収益性重視の融資姿勢を取る一方で、政策金融公庫は以下の観点から融資判断を行います:
- 事業の社会的意義
- 地域経済への貢献度
- 雇用維持の可能性
- 事業の将来性
- 経営改善の実現可能性
特に以下のような状況にある赤字企業は、融資を受けられる可能性が高くなります:
- 一時的な要因による赤字
- 新型コロナウイルスの影響
- 原材料価格の高騰
- 大口取引先の経営破綻
- 自然災害の影響
- 構造的な赤字でも改善の見込みがある
- 具体的な経営改善計画がある
- 不採算事業の整理方針が明確
- 新規事業展開の準備がある
- コスト削減策が具体的
民間金融機関との審査基準の違い
日本政策金融公庫の審査基準には、以下のような特徴があります:
- 財務状況以外の評価項目
- 経営者の資質と意欲
- 事業の継続性
- 取引先との関係性
- 業界での評価
- 技術力や独自性
- 返済能力の判断基準
- 現在のキャッシュフロー状況
- 将来の収益改善可能性
- 経費削減の余地
- 資産の換金性
- 個人資産の状況
- 事業性評価のポイント
- 商品・サービスの競争力
- 市場での優位性
- 顧客基盤の安定性
- 仕入先との関係
- 従業員の技術力
赤字企業向け特別融資制度の概要
現在、以下のような特別融資制度が用意されています:
- セーフティネット貸付
- 一時的な業況悪化に対応
- 運転資金として活用可能
- 融資限度額は7億2,000万円
- 返済期間は運転資金8年以内
- 企業再生貸付
- 経営改善に取り組む企業向け
- 既存債務の借り換えも可能
- 融資限度額は事業規模により設定
- 返済期間は20年以内
- 新企業育成貸付
- 新事業展開を行う企業向け
- 設備投資資金として活用可能
- 融資限度額は7億2,000万円
- 返済期間は設備資金20年以内
これらの制度は、企業の状況や資金使途に応じて選択することが可能です。
特に赤字企業の場合、セーフティネット貸付の活用を検討することをお勧めします。審査のハードルが比較的低く、運転資金として柔軟な活用が可能だからです。

融資を受けずに資金繰りを改善する新しい方法をチェックしませんか?
登録から利用まで、審査や書類提出が原則不要で利用できます!

赤字企業が日本政策金融公庫から融資を受けるための条件

赤字決算が続いていても、一定の条件を満たせば日本政策金融公庫からの融資は十分に可能です。
ここでは、融資実現のために必要な具体的な条件と対策を解説します。
融資審査の基本的な判断基準
日本政策金融公庫の審査では、以下の3つの基準が重視されます:
- 事業の継続性
- 業界の市場動向
- 主要取引先との関係性
- 技術やノウハウの優位性
- 従業員の定着状況
- 経営者の資質
- 業界での経験年数
- 専門知識や技術力
- 経営改善への意欲
- 取引先からの信頼度
- 資金の必要性
- 資金使途の明確さ
- 調達金額の妥当性
- 既存借入金の返済状況
- 資金繰り計画の実現性
これらの基準をクリアするために、具体的な数値やデータを準備することが重要です。
返済能力の評価ポイント
返済能力の評価では、以下の項目が重点的にチェックされます:
- キャッシュフローの状況
- 月次の売上推移
- 経費の内訳
- 支払・回収サイト
- 在庫回転率
- 収益改善の見込み
- 受注残の状況
- 新規取引先の開拓状況
- コスト削減の実績
- 利益率の改善計画
- 資産の状況
- 有形固定資産の評価額
- 在庫の換金性
- 売掛金の回収可能性
- 経営者の個人資産
特に重要なのは、赤字でも返済に必要なキャッシュフローが確保できることを示すことです。
事業計画に求められる要素
事業計画には以下の要素を盛り込む必要があります:
- 現状分析
- 赤字の具体的な要因
- 業界環境の分析
- 自社の強みと弱み
- 競合との比較分析
- 改善計画
- 売上増加策
- 経費削減計画
- 組織体制の見直し
- 設備投資の計画
- 数値計画
- 月次の売上計画
- 利益計画
- 資金繰り計画
- 返済シミュレーション
事業計画は、以下の点に注意して作成します:
- 根拠のある数値を使用する
- 実現可能な目標を設定する
- 具体的な行動計画を含める
- リスク要因も明記する
経営改善の意欲と実現可能性を示すことで、融資の可能性は大きく高まります。
赤字決算企業のための具体的な申込手順と準備

融資申込の成否は、提出書類の準備と面談での説明にかかっています。
ここでは申込から融資実行までの具体的な手順と、押さえるべきポイントを解説します。
必要書類の準備と作成のポイント
日本政策金融公庫への融資申込には、以下の書類が必要です:
- 基本書類
- 融資申込書
- 事業計画書
- 直近3期分の決算書
- 試算表(最新のもの)
- 所得税確定申告書(個人事業主の場合)
- 住民票(代表者)
- 追加で求められる可能性がある書類
- 会社の履歴事項全部証明書
- 設立事業計画書(新規事業の場合)
- 既存借入金の返済予定表
- 取引先との契約書
- 許認可証の写し
書類作成時の重要なポイント:
- 決算書は税理士のチェック済みのものを用意
- 試算表は申込直前月までの最新データを使用
- 事業計画書は具体的な数値根拠を明記
- 資金使途は具体的に記載
面談での説明のコツ
審査担当者との面談では、以下の点に注意が必要です:
- 説明の基本姿勢
- 経営状況を隠さず説明
- 数値の根拠を明確に示す
- 改善に向けた具体策を提示
- 質問には簡潔に回答
- 重点的に説明すべき項目
- 赤字の原因分析
- 現在の受注状況
- 今後の売上見通し
- 返済財源の確保方法
- 準備しておくべき補足資料
- 主要取引先のリスト
- 受注残高の一覧
- 月次の資金繰り表
- 経費削減の実績データ
審査期間と資金調達までのスケジュール
融資実行までの一般的な流れは以下の通りです:
- 事前準備(2〜3週間)
- 必要書類の収集
- 事業計画書の作成
- 資金繰り表の作成
- 面談の準備
- 申込から融資実行まで(3〜4週間)
- 申込書類の提出
- 担当者との面談
- 追加資料の提出
- 審査結果の通知
- 契約締結・融資実行
スムーズな資金調達のためのポイント:
- 余裕を持った申込スケジュールを立てる
- 追加資料の依頼に迅速に対応する
- 担当者からの質問には誠実に回答する
- 事前相談を活用して準備を整える
早めの相談と準備が、融資実現の可能性を高める重要な要素となります。
日本政策金融公庫で赤字企業の融資が通らない理由と対策

融資審査で不認可となるケースには、いくつかの共通した要因があります。
ここでは主な否決理由と、その対策について具体的に解説します。
融資否決の主な原因分析
日本政策金融公庫での融資否決の主な理由は以下の通りです:
- 返済能力への不安
- 赤字幅が拡大傾向
- キャッシュフローが大幅なマイナス
- 債務超過の状態が続いている
- 既存借入金の延滞がある
- 事業計画の不備
- 数値の根拠が不明確
- 改善策が抽象的
- 市場分析が不十分
- 売上計画が過大
- 経営姿勢への懸念
- 資金使途が不明確
- 経営改善への意欲が低い
- 経営状況の把握が不十分
- 事業継続性への疑問
これらの要因に対しては、事前の対策が可能です。
審査通過率を上げるための準備
融資審査を通過するために、以下の対策を講じることが重要です:
- 返済能力の明確化
- 月次の資金繰り表の整備
- 経費削減計画の具体化
- 売上増加策の数値化
- 運転資金の適正化
- 事業計画の精緻化
- 市場調査データの活用
- 競合分析の実施
- 実現可能な数値目標の設定
- リスク対策の明記
- 経営姿勢の改善
- 経営管理体制の整備
- 社内規定の明確化
- 従業員教育の実施
- 情報管理の徹底
再申請時の改善ポイント
一度否決された場合の再申請では、以下の点に注意が必要です:
- 前回の否決理由への対応
- 指摘事項の改善状況を示す
- 具体的な改善実績を提示
- 新たな事業展開の提案
- 経営体制の強化策
- 追加で準備すべき資料
- 直近の業績データ
- 取引先からの推薦状
- 専門家の支援状況
- 経営改善の進捗報告
- 面談時の説明強化
- 改善への取り組み姿勢を示す
- 具体的な成果を説明
- 将来展望を明確に提示
- 質問への的確な回答
再申請の成功率を高めるためのポイント:
- 前回の否決理由を正確に把握する
- 指摘された課題に確実に対応する
- 改善実績を数値で示す
- 外部専門家の支援を受ける
融資実現には、PDCAサイクルを回しながらの継続的な改善が重要です。
赤字決算からの脱却に向けた経営改善のステップ

融資実行後は、計画的な資金活用と確実な経営改善の実行が重要です。
ここでは具体的な改善施策と資金管理の方法を解説します。
融資後の資金活用方法
融資金は以下の優先順位で活用することをお勧めします:
- 緊急性の高い支払への充当
- 仕入先への支払
- 従業員給与の確保
- 税金・社会保険料の納付
- 既存借入金の返済
- 収益改善に向けた投資
- 生産性向上のための設備導入
- 人材育成・教育費用
- 販路拡大のための営業経費
- 商品開発費用
資金活用時の注意点:
- 月次での使用計画を立てる
- 予算と実績を適切に管理
- 想定外の支出に備える
- 運転資金は適正水準を維持
具体的な収益改善施策
収益改善には以下の取り組みが効果的です:
- 売上増加策
- 既存顧客への深耕営業
- 新規顧客の開拓
- 商品・サービスの見直し
- 価格戦略の再構築
- コスト削減策
- 仕入先の見直し
- 在庫管理の適正化
- 業務効率化の推進
- 固定費の見直し
- 組織体制の改善
- 業務プロセスの見直し
- 人員配置の最適化
- 社内コミュニケーションの強化
- 権限委譲の推進
返済計画の立て方
確実な返済を実現するために、以下の点に注意が必要です:
- 返済原資の確保
- 月次の資金繰り計画の作成
- 季節変動への対応
- 予備費の確保
- 回収サイトの改善
- モニタリング体制
- 週次での資金状況確認
- 月次での予実管理
- 四半期での計画見直し
- 年度での総括実施
- リスク管理
- 取引先の与信管理
- 在庫の適正化
- 設備投資の見直し
- 経費支出の管理
経営改善を成功させるためのポイント:
- 全社一丸となった取り組み
- 進捗状況の定期的な確認
- 計画の柔軟な見直し
- 外部専門家の活用
赤字からの脱却には時間がかかりますが、着実な実行が重要です。
まとめ:赤字決算企業の融資実現のポイント

ここまで、日本政策金融公庫における赤字企業向けの融資について詳しく解説してきました。
最後に、融資実現に向けた重要ポイントをまとめます。
融資実現のための重要ポイント
- 赤字要因の明確な説明
- 外部環境の影響か、構造的な問題かを区別
- 一時的な要因による赤字なのか、継続的な赤字なのかを説明
- 改善に向けた具体的な対策の提示
- 数値に基づいた分析結果の提示
- 返済能力の証明
- 具体的な資金繰り計画の作成
- キャッシュフローの見通しの提示
- 経費削減策の明確化
- 売上改善策の具体化
- 経営改善への意欲
- 具体的な行動計画の準備
- 実現可能な数値目標の設定
- 経営管理体制の整備
- 外部専門家の支援体制
最終アドバイス
赤字決算企業であっても、以下の点に注力することで融資実現の可能性は高まります:
- 早めの相談と十分な準備期間の確保
- 正確な財務データの整理と提示
- 具体的な改善計画の作成
- 誠実な説明と迅速な対応
日本政策金融公庫は、赤字企業の事業継続と経営改善を支援する重要な役割を担っています。この制度を有効活用し、確実な経営改善につなげることが重要です。
融資実行後も、計画的な資金活用と着実な経営改善の実行により、持続的な事業発展を目指しましょう。

融資を受けずに資金繰りを改善する新しい方法をチェックしませんか?
登録から利用まで、審査や書類提出が原則不要で利用できます!
