初めまして、経営コンサルファームで中小企業支援を行ってきた元コンサルティング室長(中小企業診断士)の萩原です。
このサイトでは、資金繰り改善に関する実践的な情報をわかりやすくご紹介しています。
「ビジネスデビットカードのメリットはどんなものがある?」
「クレジットカードとの違いがわからない」
「りそな銀行や三菱UFJのデビットカードも気になる」
ビジネスデビットカードは、法人口座の残高内で利用できるため、経費管理を簡素化したい事業者に人気があります。
即時引き落としにより現金支出と同じ感覚で使え、キャッシュバックなどの特典も備わっています。
特に、クレジットカードと異なり審査が緩やかなため、事業の開始直後でも利用しやすいのが特徴です。
この記事では、ビジネスデビットカードのメリットやクレジットカードとの違いを3つのポイントに分けて解説し、事業者にとっての利便性を詳しくご紹介します。
ビジネスデビットカードとは?基本の仕組みと特徴
ビジネスデビットカードは、法人口座の残高内で支払いが行われる仕組みを持っており、即時に引き落とされる点が特徴です。
ここでは、ビジネスデビットカードの特徴や、クレジットカードとの違いについて詳しく解説します。
ビジネスデビットカードの仕組み
ビジネスデビットカードは、法人や個人事業主向けに発行され、事業経費の支払いに特化したデビットカードです。
使用すると、登録した法人口座から即時に利用金額が引き落とされ、残高内でのみ利用可能な点が特徴です。
法人口座との連動と即時引き落とし
ビジネスデビットカードは、事前に設定した法人口座と連動しており、カードでの支払いが発生すると同時に、指定口座からその金額が即時に引き落とされます。
これにより、使用した金額がリアルタイムで確認でき、毎月の経費を簡単に把握できるため、経理作業を効率化できます。
また、クレジットカードのような請求書払いが不要なため、資金繰り管理がしやすいというメリットもあります。
クレジットカードとの基本的な違い
クレジットカードは、利用限度額が事前に設定されており、毎月の請求日にまとめて支払いを行います。
一方、ビジネスデビットカードは法人口座の残高が限度額となり、その範囲内で即時に支払いが完了します。
このため、信用枠を必要とせず、特に新規事業者でも導入しやすいのが特徴です。
が比較的緩やかで、クレジットヒストリーが不足している事業者でも利用できる点で、資金管理を簡素化したい企業に適しています。
主要な国際ブランドの対応状況
ビジネスデビットカードは、一般的にVisaやMastercardなどの国際ブランドが付帯されているため、国内外で幅広い場所で利用が可能です。
ブランドが対応していることで、ビジネス出張やオンラインでの海外取引にも便利です。
Mastercard、Visaの対応と利用範囲
VisaやMastercardのマークがついたビジネスデビットカードは、国内外のほぼすべての加盟店で使用でき、決済時にVisaやMastercardとして選択するだけで利用が完了します。
海外出張中に現地通貨での引き出しが可能で、現金が必要な場面でも活用できます。
また、クレジットカードと異なり、即時に引き落としが行われるため、為替リスクも最小限に抑えられます。
ビジネスデビットカードのメリット5選
ビジネスデビットカードには、経費管理の効率化やキャッシュバック特典など、多くのメリットがあります。
ここでは、ビジネスデビットカードの特に注目すべき5つのメリットについて詳しく解説します。
1. 経費管理が簡単にできる
ビジネスデビットカードを使用すると、経費が即時に口座から引き落とされるため、リアルタイムで資金の動きを把握することができます。
これにより、毎月の経費管理が非常に簡単になります。
即時引き落としによる会計処理の効率化
ビジネスデビットカードは、カードの利用と同時に経費が口座から差し引かれるため、月末の請求書確認や支払い手続きが不要です。
また、毎回の利用明細がリアルタイムで確認でき、会計ソフトと連携することで経理作業を一層効率化できます。
経費の明確化によって、現金取引や後払いによる資金管理の手間が省けるため、経理担当者にも優しいカードといえます。
2. キャッシュバックで経費節約が可能
ビジネスデビットカードの中には、利用額に応じてキャッシュバックが受けられるものもあります。
毎月の経費支出が多い企業にとっては、経費の節約につながる大きなメリットです。
キャッシュバック率と活用法
一部のビジネスデビットカードでは、最大1%程度のキャッシュバックが提供されるため、毎月の利用額が多ければ多いほどお得です。
キャッシュバックを利用することで、経費を自動的に削減できるため、長期的に見て会社のコスト削減に寄与します。
また、キャッシュバックの還元額はリアルタイムで確認できることが多く、どれだけ節約できたかを把握しやすい点も魅力です。
3. 年会費無料の選択肢が多い
ビジネスデビットカードは、年会費が無料のものが多く、コスト面でも導入しやすいカードです。
年会費無料のビジネスデビットカード一覧
りそな銀行や三菱UFJ銀行など、主要な銀行が年会費無料のビジネスデビットカードを提供しています。
年会費がかからないため、コスト負担を抑えたい事業者にとっても非常に使いやすい選択肢です。
また、初年度のみ年会費が無料となるカードも多く、試しに導入して使い勝手を確かめることもできます。
4. 海外で現地通貨の引き出しが可能
ビジネスデビットカードは、海外のATMで現地通貨の引き出しができるため、ビジネス出張や海外での支払いに便利です。
海外ATM利用時の便利さ
MastercardやVisaの国際ブランドが付帯している場合、海外のATMから現地通貨を引き出せるため、急な支払いにも対応できます。
また、為替レートは利用時のレートで適用されるため、事前に換金する手間を省きながら現地通貨を確保することができます。
ビジネスデビットカードの即時引き落としによって、為替リスクを管理しやすくなる点もポイントです。
5. 比較的審査が緩やかで発行しやすい
ビジネスデビットカードは、クレジットカードと比べて審査が緩やかで、設立間もない事業者でも発行しやすい点が大きなメリットです。
ビジネスデビットカードの審査基準
クレジットカードでは与信枠の設定が必要ですが、ビジネスデビットカードは事前に保証金を預ける必要がなく、審査も比較的簡単です。
これにより、ビジネスの開始直後でクレジットヒストリーが少ない企業でも導入しやすく、資金管理がシンプルになります。
クレジットカード審査で不安がある方にとって、ビジネスデビットカードは良い選択肢といえるでしょう。
ビジネスデビットカードのデメリットと注意点
ビジネスデビットカードには便利なメリットが多くありますが、一方で注意が必要なデメリットも存在します。
ここでは、ビジネスデビットカードを利用する際に考慮すべきデメリットと、その対応策について解説します。
利用可能額は口座残高に依存する
ビジネスデビットカードは、法人口座の残高内でのみ利用できるため、口座残高が不足しているときには使えないという制約があります。
特に、急な大口支払いが必要な場面では注意が必要です。
預金残高以上の利用ができない仕組み
クレジットカードとは異なり、ビジネスデビットカードでは預金残高が利用限度額となります。
そのため、残高不足の際には、支払いができないリスクがあります。
例えば、急な経費が発生した際に口座残高が足りない場合、追加の入金が必要になるため、支出のタイミングと口座残高の管理を徹底する必要があります。
特に、現金を多く支払う場面が予測される場合には、事前に十分な資金を口座に用意しておくことが重要です。
クレジットカードに比べ付帯サービスが少ない
ビジネスデビットカードは、クレジットカードのような旅行保険やショッピング保険などの付帯サービスが少ない場合が多いため、付加価値を重視する方にはやや物足りないと感じることがあるかもしれません。
付帯サービスの違いと補償内容
クレジットカードには、一般的にショッピング補償や旅行保険、不正利用補償などの付帯サービスが多く含まれていますが、ビジネスデビットカードにはこうしたサービスが一部に限られることが多いです。
一部のカードでは、基本的な不正利用補償やセキュリティ機能が提供されていますが、付帯サービスが充実しているカードを求める場合には、クレジットカードの導入を検討するのも良いでしょう。
特に、ビジネスにおける出張や高額商品購入を頻繁に行う場合は、付帯サービスの内容を考慮して選ぶことが大切です。
ビジネスデビットカードとクレジットカードの違い|3つのポイント
ビジネスデビットカードとクレジットカードは、支払い方法や利用限度額などで大きく異なります。
ここでは、ビジネスシーンでの使い勝手や選び方の参考になるよう、3つのポイントに分けてその違いを解説します。
1. 支払い方法と引き落としタイミング
ビジネスデビットカードとクレジットカードの大きな違いは、支払いのタイミングです。
デビットカードは即時に口座から引き落とされ、クレジットカードは翌月に請求がまとめて行われます。
デビットは即時引き落とし、クレジットは翌月払い
ビジネスデビットカードは、利用時に即座に法人口座から引き落とされるため、利用残高がリアルタイムで把握できます。
資金の動きが明確に管理できるため、現金感覚で利用でき、経費管理が楽になるメリットがあります。
一方、クレジットカードは決済時に与信枠が使われ、翌月の請求日まで支払いを猶予できるため、資金繰りの柔軟性を持たせやすい点が特徴です。
特に、キャッシュフローを重視する事業者にとっては、クレジットカードの支払いタイミングが適している場合があります。
2. 利用限度額の設定方法
利用限度額の設定方法も異なり、デビットカードは法人口座の残高が限度額となり、クレジットカードは与信枠によって設定されます。
デビットは預金残高に依存、クレジットは与信枠で設定
ビジネスデビットカードの限度額は、口座にある預金残高が上限です。残高が不足すると利用できなくなるため、口座に十分な資金を用意しておく必要があります。
一方、クレジットカードは事前に設定された与信枠に応じて利用限度額が決められるため、ある程度の余裕を持って高額の支払いを行うことが可能です。
大口取引や一時的に多額の支出が必要な場合には、与信枠の設定があるクレジットカードが便利といえるでしょう。
3. 付帯サービスとセキュリティの違い
ビジネスデビットカードとクレジットカードでは、付帯するサービスやセキュリティ機能にも違いがあります。
付帯サービスの豊富さとカードロック機能の比較
クレジットカードには、旅行保険やショッピング補償、ポイント還元などの付帯サービスが充実していることが多く、特に出張が多いビジネスパーソンにとって役立つ機能が揃っています。
一方、ビジネスデビットカードは基本的な不正利用補償に加えて、カードロック機能や利用通知機能など、リアルタイムで資金を管理できるセキュリティ対策が強化されています。
ビジネスデビットカードは、利用限度が口座残高に制約されていることもあり、即時に残高を管理するためのセキュリティ機能に特化しています。
ビジネスデビットカードの選び方|りそな銀行や三菱UFJのカード比較
ビジネスデビットカードには、りそな銀行や三菱UFJ銀行など、各銀行からさまざまな種類が発行されています。
それぞれの特徴を比較し、ビジネスに適したカード選びのポイントをご紹介します。
りそな銀行のビジネスデビットカード
りそな銀行のビジネスデビットカードは、中小企業や個人事業主向けに設計されており、手軽に導入できる点が特徴です。
りそな銀行のビジネスデビットカードには、年会費無料のオプションやキャッシュバック特典があり、日々の経費管理を効率化したい方におすすめです。
年会費やキャッシュバック率の比較
りそな銀行のビジネスデビットカードには、年会費無料の選択肢が用意されており、毎月の固定コストを抑えたい事業者に向いています。
さらに、キャッシュバック率が高めに設定されているカードもあり、日常的に利用する経費が多い企業には特にメリットがあります。
毎月の利用額に応じて一定割合がキャッシュバックされるため、経費節約にも効果的です。
基本的なセキュリティ機能とサポート体制
りそな銀行のビジネスデビットカードには、不正利用補償やリアルタイムでの利用通知機能が標準で備わっています。
また、カードの利用を一時的に停止するロック機能もあり、セキュリティ対策も充実しています。
カスタマーサポートも対応しており、万が一のトラブルにもスムーズに対応できる体制が整っています。
三菱UFJ銀行のビジネスデビットカード
三菱UFJ銀行が提供するビジネスデビットカードも、法人や個人事業主向けに設計されており、安定したサポート体制と付加価値サービスが魅力です。
三菱UFJのカードは、特に大手銀行ならではの利便性や信頼性が求められる方に適しています。
セキュリティ機能と付帯サービス
三菱UFJのビジネスデビットカードには、りそな銀行のカードと同様に不正利用補償が付帯されており、安心して利用できます。
さらに、オンライン利用の際にワンタイムパスワードの認証が必要になるなど、セキュリティ機能が強化されているのが特徴です。
また、海外ATMでの現地通貨引き出し機能もあり、海外出張時や輸入取引の支払いにも便利です。
利用明細の管理と経費分析機能
三菱UFJ銀行のビジネスデビットカードは、オンラインバンキングと連携することで、経費の明細確認や分析が簡単に行えます。
毎月の利用履歴が自動的に記録され、経費管理が効率化されるため、経理業務の負担を軽減できます。
オンライン上での明細管理により、会計ソフトと連動させることも可能で、経費データの分析もスムーズに行えます。
選び方のポイント
ビジネスデビットカードを選ぶ際には、年会費、キャッシュバック率、セキュリティ機能、付帯サービスなどを比較検討することが重要です。
事業の規模や支出の目的に応じて、最適なカードを選ぶことが、経費管理の効率化とコスト削減につながります。
自社の利用状況に合わせた選択
ビジネスデビットカードは、利用状況に合わせて選ぶことで、その利便性を最大限に活用できます。
例えば、日々の経費支出が多くキャッシュバックの恩恵を受けたい場合には、りそな銀行の高いキャッシュバック率のカードが有利です。
また、海外取引が多い事業者には、三菱UFJの海外ATM利用機能やセキュリティ強化のカードが適しているでしょう。
ビジネスデビットカードの口コミ評判
実際にビジネスデビットカードを利用しているユーザーからの口コミをもとに、メリットやデメリットについての評価を見ていきます。ここでは、良い口コミと悪い口コミの両方をご紹介し、総合的な評価をまとめました。
良い口コミ
ビジネスデビットカードの利便性やキャッシュバック機能は、多くの利用者から高い評価を受けています。
以下に代表的な良い口コミをご紹介します。
審査の緩やかさと発行の早さについて
「起業したばかりでクレジットカードの審査が難しいと感じていましたが、ビジネスデビットカードはスムーズに発行できました。口座さえあれば利用可能なので、資金繰りの面で安心感が増しました。」
キャッシュバックでの経費節約に関する評価
「日常の経費支払いにビジネスデビットカードを使っていますが、利用額に応じてキャッシュバックがあるので経費削減に役立っています。特に月々の出費が多い業務でありがたいですね。」
経費管理のしやすさと利便性
「使った瞬間に引き落とされるので、経費管理がとても楽です。会計ソフトと連携させているので、月末の経理処理がスムーズに行え、日々の業務効率も上がっています。」
悪い口コミ
一方で、ビジネスデビットカードの利用には口座残高やサービスの限界に対する不満も見られます。
ここでは、利用者が感じたデメリットについてご紹介します。
預金残高が足りない場合の不便さ
「支払い時に口座残高が足りないと利用できないのが不便です。特に急な出費が発生した際には、入金手続きが必要になるため、少し手間がかかります。」
付帯サービスの少なさに対する不満
「クレジットカードと比べると、旅行保険やショッピング補償が少なく感じます。普段の支払いには便利ですが、付帯サービスを重視する人には物足りないかもしれません。」
口コミの総評
口コミを総合すると、ビジネスデビットカードは、特に起業初期や経費管理の簡素化を求める事業者に適したカードとして高評価を受けています。
即時引き落としによるリアルタイムの資金管理ができる点や、キャッシュバックによる経費節約効果が多くのユーザーに支持されています。
一方で、預金残高が限度額になるため、残高が不足すると利用できない点が不便だと感じる方も多いようです。
また、クレジットカードと比較すると付帯サービスが少ないため、より多機能なカードを求める方には物足りない面もあります。
総合的には、日々の経費管理をシンプルにしたい企業や、クレジットカード審査に不安がある新規事業者には優れた選択肢と言えるでしょう。
まとめ|ビジネスデビットカードのメリットと活用法
ビジネスデビットカードの特徴やメリットについて解説してきましたが、ここではポイントを振り返り、どのように活用すれば事業の経費管理に役立つかを総合的にまとめます。
ビジネスデビットカードは、即時引き落としにより経費管理が簡単にできる点や、クレジットカードと異なり口座残高内で利用できるため、資金の流れを常に把握しやすいことが最大の特徴です。
特に、経理作業の効率化やキャッシュバック特典により、日常的な経費を削減しやすくなります。
また、クレジットカードよりも審査が緩やかで発行しやすいため、起業初期の事業者やクレジットヒストリーが少ない個人事業主にも適しています。
ただし、口座残高が利用限度額となるため、残高不足時には支払いができない点や、付帯サービスが少ない点には注意が必要です。
高額な出費が見込まれる場合や、付帯保険などが必要な場合には、クレジットカードと併用することで、それぞれの強みを活かした経費管理が可能になるでしょう。
活用のポイント
日常経費をビジネスデビットカードで管理:経費支出の都度、口座から即時に引き落とされるため、リアルタイムで資金の流れを確認できます。
経費管理をシンプルにしたい企業にとって、手軽に導入できる仕組みです。
キャッシュバックで経費節約:キャッシュバック機能を活用することで、毎月の経費に応じた還元が得られ、長期的に見て経費削減に寄与します。
付帯サービスが必要な場面ではクレジットカードと併用:出張時の旅行保険やショッピング補償が必要な場合には、クレジットカードと使い分けることで、安心して経費管理が可能です。
ビジネスデビットカードは、特に中小企業や新規事業者にとって頼れる経費管理ツールといえるでしょう。
各カードの特徴を把握し、事業のニーズに合わせて最適なビジネスデビットカードを選ぶことで、より効果的に経費を管理し、経営をサポートするカードとして活用してください。